よくあるご質問
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よくあるご質問
【質問】
痛みを伴ったり、苦痛を伴ったりするものなのですか?
【回答】
原則的に、痛みや苦痛を伴うことを目的とした治療法ではありません。
SE™では、「少しずつ」「ゆっくり」「苦痛のない範囲から」を治療の原則としています。
これまでのトラウマ治療に用いられていた方法(カタルシス療法)などでは、過去のトラウマを呼び起こすために、セラピーを受けている方が苦痛を感じるような状態に陥ったり、急激にトラウマにアクセスしようとするためにその時受けていた痛みなどをそのまま呼び起こすようなこともありました。
SE™で用いられるトラウマ治療の方法は、「冷たい水に足をつけるような慎重さで」と表現されることもあります。
これは、先にご説明したような、「強いトラウマの渦」に引き込まれず、自分自身の安全を保障した状態で、今現在の自分が十分耐えられる程度のところから、ごく少しずつ、慎重にトラウマから起こる「反応」を確かめていくことにセラピーの主眼があるからです。事故のケースや、暴力・外傷を伴うトラウマなどには身体的な痛みを伴っているものもありますが、急激な痛みや苦痛の感覚、記憶が起こりそうになった際は、無理せず、すぐに「今、ここ」の安全を確かめながらセラピーを進めていきます。
トラウマから来る痛みの感覚に引き込まれないように、細心の注意をもって、「セラピーを受けている方が安心して受けられる」ことを重要視して慎重に進めていくことが基本です。
これまでにカタルシス療法などを受けておられた方の中には、「こんなに穏やかだと、逆に効果がないのでは」と心配になることもあるようですが、「『穏やか』であることは『安全』であること」だとSE™では考えています。
【質問】
自分の中で原因がはっきりしていないと、受けてはいけないのですか?
【回答】
そんなことはありません。
「PTSDのサインや症状」に該当する症状を自覚されている(または周囲の方から指摘された経験をお持ちの)方は、お近くのSE™セラピストに相談してみるという方法があります。
トラウマの治療において難しいことの一つは、「自分には原因が思い当たらない」ケースも多いことです。
これにはいくつかの原因が考えられます。
社会的な立場や文化的なジェンダー観(男性だから○○であるべき、女性だから○○であるべきだ)という固定観念によって、「なんでもないことだ」と思い込んでいる(あるいは、思い込まされている)
あまりに辛い体験だったので、無意識のうちに忘れようとしてしまっている(「抑圧」と呼ばれる心の働きです)
明確な記憶がない(頭部への強い衝撃や外傷性ショックなどで生じることがあります)
言語化・表現の手段を身に着ける以前の乳幼児期に起こった出来事なので、記憶としての形態をもたない(物心つくまえに受けたトラウマは、言葉やイメージと言った記憶の形を持てないこともあります)
自分で症状に気がつかれる方もおられますが、ご家族や周囲の方から「最近、何だかすごくイライラしているんじゃないの」と心配されたり、とあるケースではお子さんから「最近のパパ、何だかいつも怒っているみたいで怖い」と言われて初めて気がつくということもあったそうです。
自分の状態がいつもと違う、あるいは、何かイライラしたりして落ち着かないことが多い、というところまでは自覚できても、それがどの位なのか、という客観的な状況まではなかなか把握できないことも多いですし、自分でも原因が分からない場合にはなおさら、そのことに気づきにくいものだとも考えられます。また、このような状態になっているときは、なぜか周囲からの助言や心配の言葉をそのまま受け取れなくなっていることもあるようです。
ご家族の方や周りの方から心配された時、「そんなことないって言ってるじゃないか!」と怒ってしまうのは、すでにイライラしている証拠です。「ちょっと待てよ、何で自分はこんなに怒っているんだ?」とふと振り返ってみて、その原因がうまく思い当たらないとき、たとえばお近くのSE™セラピストに相談してみる方法もあることを知っていただければと思います。最適な方法を一緒に探してみることが出来るかも知れません。
【質問】
ボディーワーク(身体に触れるセラピー)が苦手です。SE™は受けられませんか?
【回答】
セラピーやセッションの形態は、クライアント(セラピーを受けられる方)が最も安心できる形式で提供されます。
セラピストから指定されることや強制されることは一切ありません。
また、セラピーの方法は、自由に選ぶことが出来ます。
SE™セラピストには、心理療法が専門のセラピストや、タッチワークやボディーワークが専門のセラピストなど、様々なセラピストがいます。皆すでに専門家として経験を積んでいる療法家であり、それぞれの専門領域にSE™の技法をプラスして用いています。心理療法でSE™を体験してみたいと思われる方は心理療法のトレーニングを受けたSE™セラピストに、ボディワークでSE™を体験してみたいと思われる方はボディーワークのトレーニングを受けたSE™セラピストに連絡を取ってみてください。
もちろん、セラピストがクライアントの許可なく身体に触れることはありません。